2026/04/6
腕を体の前に出して行う動作ー
パソコン・料理・掃除機・ヘアカットなど
私は、指先から手のひら→手首→前腕→肘→上腕を、ひと続きの流れとして診て治療しています。
さらに、肩→肩甲骨→首→後頭部も同じように、つながりとしてみています。
そのため、皆さんが「ここがこっている」と感じている場所と、実際に負担がかかっている場所が違うことがあります。
施術中に「そんなところがこっていたんですか!?」と驚かれることが多いのはそのためです。
腕の腱のまわりが固まっていても、自分では気づきにくい理由
腕の腱のまわりが固まっていても、多くの方は普段その場所に痛みを感じていません。
なぜなら、その場所は「動いた瞬間にズキッと痛むタイプ」ではないからです。
普段はじわっと固まっているだけで、脳にとっては「危険」と判定するほどの強い刺激にならず、意識に上がってきにくいのです。
しかし実際には、腕の腱が動かしにくくなり、肩や肘、手首の動きにも影響が出ています。
そのため、痛みのある部分だけを湿布などで対処しても、原因そのものは改善されていないことが多いのです。
実際に多くの方が感じているのは、
- 肩が上がらない
- 肩の付け根が痛い
- 首がこる
- 背中が張る
といった「結果として出ている場所の不調」です。
多くの方が最初に気づくのは、このような「結果として出ている症状」です。
しかし実際には、その手前で腕の腱のまわりがじわじわ固まり、流れが悪くなっています。
つまり、原因の場所と、本人が困っている場所がずれているのです。
さらに、こうした状態は少しずつ進むため、脳が慣れてしまい「いつものこと」として処理されやすくなります。
急な痛みには気づいても、慢性的な詰まりには気づきにくいのです。
東洋医学では、こうした「まだ大きな症状にはなっていないけれど、体の中では乱れが始まっている段階」を未病と考えます。
一方で、痛みや可動域制限がはっきり現れ、本人も困っている状態は已病です。
五十肩のように肩が上がらない、動かすと痛いという状態は、未病が進んで表に現れた結果とも言えます。
だからこそ、症状が強く出てから対処するのではなく、その前の段階で変化に気づき、整えることが大切なのです。
普段は痛みを感じていなくても、施術で触れたときに痛みを感じるのは、
- 普段使えていない場所に刺激が届く
- 固まっていた部分が押される
- 隠れていた圧痛が表に出る
からです。
こうした場所こそ、未病のサインと言えます。
実際に、ジムで筋トレを続けているうちに、肘が動かしにくくなったり、肩が上がりにくくなる方もいます。
筋肉痛や炎症のあとにできた癒着を十分にゆるめないままトレーニングを重ねると、
関節の動く隙間が失われ、かえって動きにくさを深めてしまうことがあります。
首や肩のこりでお困りの方にも、腕のねじれが見られることがあります。
ここでいう腕のねじれとは、指先から肩関節までの流れの中に、本来あるべき「動きの隙間」がなくなっている状態です。
その状態では、動くたびに負荷が偏り、特定の筋肉や関節に無理が集中しやすくなります。
五十肩は突然ではなく、その前から始まっている
五十肩は、ある日いきなり何もないところから始まるわけではありません。
その前から少しずつ、体の使い方が崩れ、
腕・肩甲骨・背中のつながりが失われ、
一部に負担が集まる状態が続いています。
つまり五十肩とは、長い時間をかけて育ってきた未病の結果とも言えるのです。
まとめ
五十肩は突然ではなく、体の中で少しずつ進んでいきます。
腕の使いにくさや違和感、首や背中の張りなどは、
すでに体の流れや動きに偏りが出ているサインです。
だからこそ大切なのは、
五十肩になる前の体の変化に気づくことです。
未病の段階で整えることが、大きな不調を防ぐ一歩になります。
なんとなくの違和感の段階で気づくことが、とても重要です。
こうした体の流れは、日々の観察と経験の中で見えてきたものです。
みなさんがご自身の体に気づき、整えていくお手伝いができれば嬉しく思います。